日本酒よもやま話     6.若さも魅力だが年を経て得るものもある

日本酒は新しいほど良いと思っていませんか?
人間同様(?)日本酒もその時ごとの魅力があります。同じ醸造酒のワインを考えるとわかりやすいでしょうか。



日本酒も実は明治時代に酒税法が造石税に変わるまでは熟成酒が大切にされていました。造石税とは製造した時点で課税されるというものです。
しかも現在よりも重税だったようです。つまり熟成のために貯蔵するものに対しても造った時点で税金が課せられますので蔵元には大きな負担となります。
そんな理由で市場から熟成酒が消え、いつしか日本酒は新しいうちに飲むものだという考えが広まったのです。



酒税法が改正され造石税から出荷時に課税される蔵出し税に変わったのは戦後のこと。徐々に市場に出回る熟成酒も増えてきました。
最近では熟成酒の魅力が見直され 熟成酒を専門に扱う古酒バーなどもあるようです。
酒屋さんや飲食店さんでも 同じ種類の日本酒で醸造年度の違うものを揃えてらっしゃるところもありますので、飲み比べても楽しいかもしれません。



醸造年度で違ったり、温度帯で違ったり、…等々、美味しい日本酒の可能性は無限大。
思い込みや先入観をちょっとだけ捨てて 色々試すことで新しい魅力を見つけてみてはいかがでしょう。




さらにもうちょっとマメ知識@
     日本酒の製造年月は醸造年月ではなく製品を瓶等の容器に詰めた年月が
     記されています。


さらにもうちょっとマメ知識A 
     日本酒の醸造年度(Brewery Year、BY)とは 7月1日から翌6月30日まで
     で区切られています。
                      

                

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