日本酒よもやま話      5.燗は「アツっ燗」だけじゃない

eau de vie で日本酒を飲む方の大半は冷酒派です。寒い時期には燗酒もいいものですが、燗酒はアルコールの臭いがキツイと敬遠する方が多くいらっしゃいます。
…と言う私も、実は以前 燗酒が嫌いでした。
     まず、アルコール臭がツ〜ンと鼻に付くのが苦手。
     冷酒に比べて酔いが早く回るのもイヤ。
       (飲み過ぎないということだからホントは良いことです。)

そういう思い出のある燗酒は手で持てないほどアツアツの徳利に入ったものでした。
きっと燗を敬遠していらっしゃる方の燗酒のイメージはそんな感じではないかと思います。お酒の個性と燗の温度がマッチしていなかったのですね。

でも、「燗」はそんなアツアツのものだけではなく、いろいろな温度帯があるのです。   


 燗酒の温度帯   

   30℃前後 ⇒ 日向燗(ひなたかん)  
   35℃前後 ⇒ 人肌燗(ひとはだかん)
   40℃前後 ⇒ ぬる燗
   45℃前後 ⇒ 上燗(じょうかん)
   50℃前後 ⇒ 熱燗(あつかん)
   55度以上 ⇒ 飛び切り燗(とびきりかん)
       

お酒によって美味しい温度も違います。(もちろん味わう人によっても美味しいと感じる温度は違います。) 燗を付けることによってますます美味しくなるお酒を「燗上がり」するとも言います。吟醸クラスのお酒を温めるなんてもったいない、と思われるかもしれませんが、意外と燗上がりするものもあるのですよ。幅広い温度帯で楽しめるのが日本酒の長所のひとつ。冷やしたり温めたりすることで、日本酒の味わいや香りは変化します。
燗酒に悪い印象をお持ちの方、たまには温めたお酒はいかがですか?新たな日本酒の魅力が見つかるかもしれません。

                        
                  

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