日本酒よもやま話         1.お酒の価格と「おいしさ」の関係

例えばワインの場合には価格とおいしさは比較的(あくまでも「比較的」です。)
正比例の関係にあると思うのですが、日本酒の場合はどうですかね。


もちろん高いのには相当の理由があります。日本酒の場合、価格を決める一因として特に精米歩合の高いものほど価格が高くなる傾向にあります。それは当然。精米歩合が高い= たくさんのお米が要る ということなのですから。


ちょっと寄り道。「精米歩合」とは…
玄米を削り取った後の白米の重量の割合。つまり精米歩合60%であれば玄米としてお米の40%もの部分を削っていることになります。(ちなみに一般的に食する白米の場合、精米歩合は90〜92%くらいだそう。)
精米歩合が高いほど雑味の少ないすっきりした味わいで華やかな香りのお酒になり、精米歩合が低いほどお米の旨味の強いしっかりした味わいのあるお酒になります。精米歩合が高いことで有名なのは山口県岩国市 旭酒造「獺祭(ダッサイ)磨き二割三分」の23%。反対に精米歩合の低いものでは山口県宇部市 永山本家酒造場の「貴 濃醇辛口純米 山田錦80」の80%などがあります。どちらもそれぞれ個性際立つ いいお酒です。


で、精米歩合が高ければ、万人にとっておいしいお酒かというと必ずしもそうとは言えず。
すっきりした飲み口の綺麗形のお酒が好きな方は価格の高いお酒がお好みかもしれません。
お米の旨みがしっかり活きた芳醇なタイプのお酒が好きな方は低価格帯のお酒の方がお口に合うかも。


高いものも安いものもそれぞれに良い個性があるのが日本酒の魅力のひとつだと思います。

                                   

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